どうして逃げるのか、そして、どこへ向かってトウソウするのか (後半)
前半(http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20110622)では、どうして人は(やっと手にした)自由からでさえ逃げ出そうとするのか*1、そして、それはどのような症状*2として現れるのか、ってのを、フロムおじさんをいじって、まとめてみたね。
念のため、超要約しとくと、
自由って意外にしんどいから、逃げたくなる。
逃げるは、すなわち、自由(何でも自分で決めて生きていくこと)を放棄して、他人に奴隷のように従うこと。他人を奴隷のようにしいたげること。両極端が、混在すんよ。
政府にいじわるなことされても、もっともっとぼくをいぢめて、とMっぽい一面を見せておきながら、弱っちょろいやつを見つけては、徹底的に攻撃しちゃうSを発揮する*3。
ってことだね。
じゃ、今日は、その諸悪の根源である「自由に伴う無力感」に対して、どのように闘いを挑むのか、って話をしましょ*5。なので、無力感なんてないよー、おれは全能だー、という人は、読んでも仕方ないよー。ただ、フロムの話は多岐に渡んので、全部を紹介してる場合じゃーないので、ちょっとかいつまんで、ところどころ処理しときましょ。
フロムの処方箋は、いたってシンプル。
(あーだこーだと、くだらん未来のことを考えてないで)いまここで、全身で現在を生きること
- 作者: Erich Fromm,エーリッヒ・フロム,鈴木晶
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1991/03/25
- メディア: 単行本
- 購入: 33人 クリック: 218回
- この商品を含むブログ (99件) を見る
(↑変なタイトルだけど、「自由からの逃走」とセットで読めば、怪しくない内容よ)
ただそれだけ、なんだそーだ*6。
ここで、ちょいと思い出してくださーい。
今年の一発目(http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20110104)に、「浮世宣言」をして、好色一代男っちゅうエロ作品の意義について、ちょろ話をしたよね。そして、浮世宣言の2番目として、
この世ははかないからこそ、来世に目を向けるのではなく、今、この瞬間を大事にしろ
というものを掲げておいたんだけど、今年の前半が終わる今日のエントリで、やっと呼応したね。そうなの、私にとっちゃ、井原西鶴とフロムは、おんなじこと言ってるとしか見えないの。
つまり、何事も、一瞬一瞬が真剣勝負だっちゅうことだね。(http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20100816)
次に、フロムは、
なんの保証もないのに行動を起こすこと[が重要]であり、こちらが[動けば]きっと[どうにかなる]だろうという希望に、全面的に自分をゆだねることである
とも言ってるの。*7
具体的に言えば、前に、「スノードーム」っちゅう、こども向けの本を紹介したの覚えてる?(http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20110124)時間があれば、も一度、読んでね。
物語の登場人物であるクリストファーに加えて、あのエントリで登場させたのは、私が頻繁に引っ張りだしてくる、小林秀雄と、コロンブスで、みんなよってたかって、「なんの保証もないものに対して、全面的に自分をゆだねること」を掲げてんの。
という意味で、私にとっちゃ、小林秀雄とコロンブスとフロムは、おんなじこと言ってるとしか見えないの。
そして、過去のエントリを見てもらえばわかるだろーけど、結構、私は「信じる」ってことにこだわってきたんだよーん。
「信じる」こと、それは、畢竟、自由に向かう闘いなの。
というわけで、結局何が言いたいのかっちゅうと、
ボクたち、物心ついたら、自由というところに放り込まれてたの。
そんで、得体のしれない無力感に吐き気を感じ、日々苦しむの。
そんな苦しみから抜け出すため、自由を捨てる暴挙に出る人、多いよ。
でも、そんなんじゃー、ダメだー。
よく考えてみよー。キミの無力感は、過去の失敗から来てんじゃーない。世の中、どんな奴だって、過去は、失敗だらけだ。そんでも、無力感を感じないやつがいるのは、そんな過去の亡霊に追いつかれないくらいのスピードで、今を走って、逃げ切ってるからじゃーないの。どうせ、逃げるなら、それは自由からじゃーなく、過去の失敗亡霊からだよね。
そして、今を突っ走ろうとすると、今度は、将来というあいまいな恐怖が待ち構える。
でも、どうなるか分からん将来なんかに気を取られちゃだめだ。
将来が不安かどうかなんか、今考えることじゃーないよ。
起こってから、「やった」とか「あーあ」とか考えるしかないわけ。(http://simplea.cc/doshisha20101208/html/025.html)
そんなふーに、分からん将来は考えない。過ぎ去った過去は気にしない。残るは、「今」しかないじゃーん。しかも、もっともっと、短い、この「一瞬」しかないわけで、そこに集中すりゃええ、ってことだね。それが、みんなのすすめる「闘争」だ。
ってこと。
ちなみに、普段、こんなことを考えて生きてんので、こんなん暑苦しい歌が好きなの。
*1:自由ってのは、むかーしからあるもんじゃーなく、ぼくたちの祖先が、激しい戦闘の末に、必死に獲得したもんなんだよ
*2:神経症、権威主義、サディズム・マゾヒズム、赤ちゃんプレーなど
*3:おマエら、いったい、どっちなんやー
*4:えっ、前回って、そんな展開だったっけ?・・・たぶんw
*5:あいかわらず、アバウトな展開なので、鵜呑みしないよーに
*6:なんで、こんな結論になってるのかっちゅうと、今を生きると、人を愛せる、すると、人から愛されて、幸せな気分になって、無力感を感じなくなる、みたいな感じ。まぁ、あとは、自分で読んで、実践して、確かめて
*7:なんで、こんな結論になってるのかっちゅうと、人から愛されて、幸せな気分になって、無力感を感じなくなる、って言うんだけど、まずは、こっちが愛さないといけないわけさ。その一歩は、何の保証もないじゃんかーってことらしー。まぁ、あとは、自分で読んで、実践して、確かめて