シンプルな感性
たいていの人は、シンプルっていいよね、って言う。
でも、何がシンプルかって点において、あんまし一致しない。
最近、三ちゃんがジョン前田のことについて
id:elmikamino:20081020:1224520068(信頼することでシンプルになれる)
id:elmikamino:20081015:1224076393(ジョン前田がロードアイランド・デザイン・スクールの第16代学長に就任していた)
id:elmikamino:20081015:1224047292(普通の人のサバイバルのためのリアルアートという考え:前田ジョンの場合)
こーんな感じで書いてんだけど、この前田さんの本
- 作者: ジョンマエダ,John Maeda,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
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から、見てみましょ。
17ページから21ページにかけて、「iPodのゲシュタルト」などと奇奇怪怪な見出しがついた部分がある。
前田さんの主張によれば、iPodのコントロール部分は、
上写真の左から右へのように変化して、「はじめはシンプルで、それから複雑になり、最後に極限までシンプルになった」(p.20)らしい。
前田さんは、
以前は中央に集まっていた機能を上端の見栄えのしない列に移したため、新しいiPodの外観はややこしくなった。(p.19)
というばかりでなく、
私が大いに腹を立てたのは、美しいまでにシンプルなものが不必要に複雑なものに変わってしまったからだ。(p.19)
と、腹まで、大いに立てた。
さすがに、これには参った。だって、私には、1番目から2番目への変化が、まったくもって「複雑になった」とは思えない。しかも、どー考えても、腹を立てるよーなこととは、思えない。たしかに、3番目はシンプルになった、と思うので、私はむしろ左から右へ、順調にシンプルになっていったんだなぁ、と思ってたわけ。
ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「シンプル業をはじめて1年経つんだけど、何がシンプルかって点において、喧々諤々な日々が続くわけ。そんな中、(ちまたに蔓延する)シンプル・イズ・ベストみたいな非常にのんきな戯言じゃなくて、オレはこれをシンプルと呼ぶってな信念の言葉が聞きたいよ。その意味で、前田さんの言ってる内容はよー賛成できんけど、前田さんのような信念の語りに耳は傾けたいな、と思う。この本は、ちょっと1時間で読みきれんかったし、訳語がかなーり奇奇怪怪なんだけど、読んで良かったなぁ、と思ってんよ」ってこと。