What tools do you use in your JPEG 2000 workflows?(J2Kする時、何使う? )
順位 ツール シェア 1 Photoshop 53.0% 2 CONTENTdm 37.0% 3 IrfanView 19.0% 4 Aware 18.0% 5 Kakadu 17.0% 6 ImageMagick 14.0% 7 LuraTech 7.0% 8 DLXS 3.0% 9 JJ2000 0.0% その他 21.0%
さて、久しぶりに、本業みたいなもんについて、お話しましょ。
JPEG 2000ってなもんがあるの。性能優れてる(かもしんない)んだけど、イマイチ普及しないなぁ、という困ったちゃんなの。(詳しいことはこちら、http://www.myopenarchive.org/documents/view/76)
「困った困ったと100回言っても状況がよくなるわけじゃーないので、現状把握して、どないなもんか考えましょ?」ってなサーベイが行われた(らしい)ので、皆さんにも紹介しておきましょ、ってな気になったり・・・
さて、今年のGWに、米国ヴァージニア州で、Archiving 2009 Conference*1という「寄り合い」が催されるんです。自称イメージング業界人の私としては、最も注目するイベント(かも)。
その「寄り合い」で、コネチカット大学のデイビットとマイケルは、JPEG 2000の現状について調査した結果を発表することになってんです。個人的に、最も注目している発表だ。
ディビット&マイケルの発表内容は、まだ入手できんのですが、調査結果については、こちらのリンクから、XLSで入手できます。
http://digitalcommons.uconn.edu/context/libr_pubs/article/1018/type/native/viewcontent
とりあえず、今日はシンプルに、Question9だけに注目しておきましょ。
Question9は、175くらいの団体に対して*2、
What tools do you use in your JPEG 2000 workflows?(JPEG 2000する時、何使う? )
と質問した。その回答を整理すると、冒頭にもあるよーに、
順位 ツール シェア 1 Photoshop (http://www.adobe.com/jp/products/photoshop/) 53.0% 2 CONTENTdm (http://www.contentdm.com/) 37.0% 3 IrfanView (http://www8.plala.or.jp/kusutaku/iview/) 19.0% 4 Aware (http://www.aware.com/imaging/digitalarchives.htm) 18.0% 5 Kakadu (http://www.kakadusoftware.com/) 17.0% 6 ImageMagick (http://www.imagemagick.org/) 14.0% 7 LuraTech (http://www.luratech.com/) 7.0% 8 DLXS (http://www.dlxs.org/)*3 3.0% 9 JJ2000 (http://jj2000.epfl.ch/) 0.0% その他 今度掘り下げまーす 21.0%
となる。
それぞれの詳細を書いてたら、日が暮れちゃうので、シンプルに1個だけ、ざらっと紹介しましょ。CONTENTdmって、あんましなじみがないんじゃないかしら?CONTENTdmってのは、
OCLC*4が提供する
「デジタルコンテンツの管理システム」(http://www.lib.hiroshima-u.ac.jp/kampo/3000.pdf)であって、
「非常に高額なソフト」(http://www.jaspul.org/kokusai-cilc/shugo_report2004.html)なんだけど、
「search.phpスクリプトがユーザ入力を適切にチェックしていないことが原因でクロスサイトスクリプティングを実行されるセキュリティホールが存在する」(https://www.netsecurity.ne.jp/6_9804.html)ってなことが、発表されたりしたこともあり、
今年に入ってから、「最新バージョンを発表しています。今回のバージョン5からUnicodeに対応し、日本語、中国語など非西洋言語もサポートした」(http://current.ndl.go.jp/node/11392)
というよーなソフトでーす。
と、ここで終わっては、いけない。
ちょびっと付加価値つけるために、このソフトのビジネス的なところを見てみましょ。OCLCの公式発表(http://www.oclc.org/news/releases/200633.htm)といくばくかの関係筋の証言をまとめると、
昔、米国ワシントン大学というところで、電子化された画像があった。
その画像は、いろんなフォーマットで、好き勝手に保存されていた。
Zick博士率いるチームが立ち上がり、いろんなフォーマットの画像を管理するソフトを作った。(1995年)
最初は、ワシントン大学内でテスト的に使われた。
結構使えるじゃん、と分かったので、他の大学や機関へも販売した。(1999年)
いろんなところが使ってくれるようになったので、サポートする会社を作って、DiMeMaと名づけた。(2001年)
米国で、書籍電子化ブームが起きたので、OCLCという胴元がDiMeMaを買収統合し、総合的な電子化ビジネスを企んだ。(2006年)
という感じで、大学発ビジネスの典型的なステップを踏んでるわけです。
ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「JPEG 2000に限らず、ファイルフォーマットというのは、非常に重要なテーマなの。そのフォーマットに関連して、米国では、CONTENTdmっていうソフトが意外にシェアを持ってるわけ。そして、そのソフトがUnicode対応し、日本語、中国語など非西洋言語もサポートってことの意味を正しく受け止めてね」ってこと。
*1:http://www.imaging.org/conferences/archiving2009/
*2:ただし、このうち、何らかの形でJPEG 2000を使っているのは、103団体、らしい、Question3参照
*3:でも、こいつは、Kakaduと分類すべきだろーと思う節があーる
*4:http://www.kinokuniya.co.jp/03f/oclc/oclctop.htm#aboutoclc
*5:ここで、非西洋言語もサポートした、というのは大局的に見て、とても重要。このことは、別に日本向けに販売しようというわけじゃーなく、米国内で、日本語や中国語の電子化したものも管理していきましょ、という戦略的囲い込みの一環かもしれなーいし、ぜーんぜん関係ないかもしんないしぃー