駆け込もうとする妻を連れ戻そうと夫が追いかけてくる
なんでかを説明すっと、4年くらいかかるから省略すっけど、私、大学院の時、駆け込み寺の研究してた。*1
駆け込み寺をチョーシンプルに説明すると、
江戸時代、男が離婚を切り出すことはできたが、女が切り出すことはできなかった。
そのため、(もー我慢の限界だーっちゅー)女の最後の手段として、駆け込み寺に逃げ込む、というものが許されていた。
駆け込み寺に一歩踏む込むと、夫と言えども、連れ戻すことができなかった。
ってこと。(wikipedia:縁切寺)
この駆け込み寺がおもろいのは*2、駆け込み寺に逃げ込んだら、夫でさえ連れ戻せない、という「ルール」を保証しているのは、幕府(政府)ってところ。
つまりね、「女が離婚を切り出しちゃーいけないよ」という離婚ルールを決めたのは幕府なのに、そのルールを実質破る「駆け込み制度」を保証してるのも、幕府なのよ。
だったら、離婚制度そのものを変更して、女も離縁状を出せるよーにすれば、いーじゃんねー。ところが、そー簡単にいかないのが、大人の事情。
そんな大人事情はさておき、本題へ行きましょう。
駆け込み寺で、おさえておくべきポイントは、こちらです。
寺の敷地内である門から内側に妻の体が一部分でも入れば、夫であっても連れ戻してはならないことになっており、また体の一部でなく、履いていた草履を投げて敷地内に入った、もしくは投げた簪が門に刺さった場合なども、夫は妻を連れて帰ってはならなかった。
なんでこんなことになるのかっちゅーと、体面が重要な時代なので、夫からすると、妻が駆け込み寺に逃げ込んだ、なんてことになると、ちょーはずかしーことだよ。なので、夫は、逃げる妻を必死に追いかけるわけ。そーすっと、駆け込み寺の門の寸前で、逃げる妻と追う夫の激闘が繰り広げられるわけさ。連れ戻されたら、何されるか分からん妻は、最後の力を振り絞って、草履でも、カンザシでも、何でも投げちゃうわけさ。
ってなわけで、本日の言いたいことは
次から次へと難癖つけて、横暴に税金を取り立てる税務署に嫌気がさし、経営者は、とうとう、駆け込み寺(節税)へ逃げ込むことを決意する。
税金とりっぱぐれたら、体面が傷つくとばかりに、税務署が追いかけてくる。
駆け込み寺の門の前で、経営者と税務署は死闘を演じる。
駆け込み寺の門前で、最後の力と知恵を振り絞って、妻は、草履でもカンザシでも投げる。
節税は、まさに、「履いていた草履を投げて敷地内に入った、もしくは投げた簪が門に刺さった場合など」を争う競技。体力と知力の勝負。*3
でも、よーく考えてみると、くだらん税金ルールを作るのも、巧妙な節税ルールを後押ししてんのも、政府じゃーないか。*4
そんなチグハグが、だいすきよ
ってこと。