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simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

ヘンテコとのおつきあい 万葉集編

かつて、こー書いた。

ヘンテコなものを見ると、普通は、間違ってる、と思うわけ。でも、あなたが「そのヘンテコなものの歴史」を分かってないだけだったり、あなたの常識が揺さぶられてるだけかもしんないの。ヘンテコなものを見て感じる違和感は、とてーも大切なシグナルなの。あなたの周りにヘンテコなものや人を探しましょ。そんで、その違和感が消えるまで、そのヘンテコな歴史を想像し、理解してみましょ。


http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20090705


さて、万葉集の3827番に、こんなもんがあります。

[原文]一二之目 耳不有 五六三 四佐倍有<来> 雙六乃佐叡


[訓読]一二の目のみにはあらず五六三四さへありけり双六のさえ


[仮名],いちにのめ,のみにはあらず,ごろくさむ,しさへありけり,すぐろくのさえ


http://etext.lib.virginia.edu/japanese/manyoshu/Man16Yo.html#3827

というわけで、意味としては、「1、2の目だけでなく、5、6、3、4の目まであるってーのが、双六のサイコロっちゅうわけやね」ということらしい。


おい、待てよ。それだけかよ。「サイコロの目が、1〜6までありますね」って歌かよ。ワイドショーでの長嶋一茂のコメントより、意味ねーな。


と、思うなかれ。違和感を感じたら、「その違和感が消えるまで、そのヘンテコな歴史を想像し、理解してみましょ。」


まず、「万葉集3827」で検索してみれば、わんさか出てくるので、ひたすら読んでみたわけです。


このあたりがまとまっていて、よろしいのではないでしょか?


では、違和感を軸に、追っていきましょ。

  1. サイコロの目は、1〜6ですよ、なんて歌は、意味ないので、隠された意味があるわけですね。
  2. サイコロの目を、わざわざ、1、2、5、6、3、4という順番で出してきてるところが怪しいですね。
  3. 最初の1、2の目というところは、人間の目が、二つしかないことを言いたいらしいですね。
  4. 次に5、6を出してきた理由は、[仮名]を見ると分かりやすいですが、「のみにはあらず,ごろくさむ,」のところで、「ず,ごろく」≒「すごろく」とひっかけたらしいですね。
  5. 4が最後なのは、「しさへありけり」として、「死ぬことだってあるんですよ」って言いたいわけですね。双六プレイヤーも、大変ですね。
  6. しかも、この歌は、双六をやってる最中に、おいお前、双六を題材に歌でも作ってみろ、と言われて作ったらしーので、それにしちゃー、できすぎじゃーないですかね。*1


というわけで、この歌の中で、3は役立たずですね。ところが、http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20090331でお話したとおり、「2枚目の写真の赤矢印の先っちょの人」と同じよーに、「単に「ここに居た」だけなんだけど、この[目]がこの瞬間、ここにいなかったら、この[歌全体の意味]はうまく通らなかった(かーもしんない)わけ。だから、この[目]はとっても重要な役割を演じたんだよ。でも、あまり表舞台で評価されることはないはずだよ。」という理由で、私は3がスキ。


ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「ヘンテコにぶつかったら、とことんお付き合いしてやってください。常識的に考えて、ヘンテコなもんが、ただヘンテコとして存在してるわけなくて、やっぱし何かのメッセージがあるわけだからね」ってこと。

*1:ジャン・ヴィエネル並みですね