simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

産休および育休宣言

2007年の師走、ドライブの途中で、娘はチャイルドシートに座ったまま突然、口からお湯を垂れ流す銭湯のライオンのように、吐いた。
*1


急いで車を止めた。おいおい、車酔いかよー、なんて思ったりした。


間欠泉のよーに断続的に娘は吐いた。ちょいと様子は変。


その時、それが世にも恐ろしー「嘔吐下痢」だなんて知る由もなく、私は必死に、嘔吐物を手で受け止めて、ちょっと落ち着くと、ティッシュなどで口などを拭いて、水を飲ませてあげる、ということを繰り返した。


そんなこんなで、当然、私もその晩、嘔吐下痢になった。


どんどん、吐き気がひどくなってきた。でも夕食後だったので、吐いたら、もったいない、と必死になって耐えていた。


でも、吐き気だけでなく、腹痛まで襲ってきて、耐え切れずにトイレに行った。


体内にあるものは、全て吐き出して、あとは胃しか残ってませーん、というくらいまでがんばった。だけど、嘔吐下痢ってのは、借金取りと同じくらい容赦しないわけで、「ほな、次は胃でも出してもらおーか」と言わんばかりに、吐き気は襲ってきた。


「もう出すものないんです、カンベンしてくださーい」と謝りながら*2、便器をまるごと抱えて数時間を過ごす。


吐き気が来るたびに、胃の悲鳴とともに、目には涙が。


でも、苦しくって涙がでてきたんじゃーないの。


便器を抱えて、もーろーとした究極の状態で、実は感激して泣いてたの。娘は1歳くらいなので、言葉もろくに話せない。そんな娘と、初めて、心が通じた、と思って、感激してたの。


チャイルドシートで銭湯ライオンのように吐いていた娘。何も話すことができないから、何も言わなかったんだろーけど、こんなに苦しかったんだねぇ。何も言わないから分かってあげられなくて、すまんかったね。今、同じくらい苦しいよぉ、ってな具合。


情けないけど、母と違って、父(私)は、娘と四六時中一緒にいるわけじゃーないの。そーすっと、あんまし、娘のことって分からないんよね。特に、言葉もろくにしゃべらないし、行動も不可解だし。


そんな折、便器を抱えて、嘔吐の苦痛の中、娘の心をやっと覗き見ることができて、一人泣いてたの。車内で吐き続けてた娘を、やっと、ひとりの人間として、理解できて、一人泣いてたの。


でも、こんな姿をハタから見れば、単に酔って、泣いて、吐いてる、アラフォーなおっさんにしか見えんかったろーね。飲んでも飲まれるな、って声が聞こえたよーな気がするよ。


ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「秋に子供産まれます。って私が産むわけじゃーないけど、どさくさに紛れて、産休+育児休暇です。なぜなら、子供のことを理解するために、また嘔吐下痢になるのはちょっと大変な話なので、もう少し別な形で挑戦してみよーかと。すでに、直属の上司*3に届けを出して、社長*4と総務部長*5からもOKもらいました。なので、当面2010年3月までは、新規のお客さんをお引き受けすることができませーん。いろいろと紹介してくれる方、ありがとね。でも、来年の4月まで待っててね」ってこと。


*1:http://jake.cc/onsen/aomori/namioka-ekimae/namioka-ekimae.html

*2:って誰に?

*3:金城部長

*4:金城社長

*5:金城総務部長