春メモ2
前回、
ビジネスというのは、勝率50分の1の博打です。
勝ち負けは、全くの運で、計算は通用しません。
と書きましたが、語弊満載です。補足しときましょ。
先日、このよーな感じの問答がありました。
Q:勝率が決まってるなら、何の努力もしなくていい、ということですね。
A:いいえ。努力しましょ。
Q:なぜ?
A:まず、第一に、博打にもルールがあります。それを知らなければ、勝率ゼロに落ちます。例えば、サッカー*1は、敵陣地のゴールにボールを蹴りこんでください。自陣のゴールに蹴りこんだ方が楽ですが、かならず負けます。なので、最低限のルールを理解しましょ。
Q:ルールを知るのに、そんなに努力は必要ないんじゃないですか?
A:かなりの努力が必要です。ルールにも種類があります。公表されているルール/暗黙のルール、アホなルール/賢いルール、などなど。公表されているルールを知るのは、朝飯前なんですが、暗黙のルールを知るのに、ちょいと難航します。参考になるか分かりませんが、http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081104でも見てください。
Q:なるほど。では、その暗黙のルールを知れば勝率50分の1、ということですね?
A:いいえ。それは、最低の装備、という感じです。登山をするのに、登山靴を買い揃えた、というだけの話です。
Q:では、次に何をすれば良いですか?
A:第二に、正しいときに正しい場所*2(賭博の現場)に赴かないといけません。
Q:どうやって、正しいときや正しい場所を知ることができるのですか?
A:あまり、こうすれば良い、というような便利な方法はありません。なので、とにかく歩き回って、周囲を良く見てるしかないです。そして、正しいときに正しい場所に偶然いると、あー、このことなんだな、と分かるはずです。
Q:では、その「正しいときに正しい場所にいる」ということも、ずいぶんと、成り行き任せな話、ということですか?
A:こちらは、歩いた量に比例して、正しい場所にいる可能性が高くなるので、それほど成り行き任せな話ではないです。体力の問題です。ただ、完全に体力の問題かと言うと、違います。
Q:どのあたりが違うのですか?
A:人は普段、いろんなものを見ているようで、実は何も見ていません。先入観や思い込みを捨てて、ありのままを見る、というのは訓練が必要です。さらに、時に、http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081110のように、見慣れたものを逆さにしてみたりして、感覚をカリブレーションする必要があります。
Q:おっと、ごめんなさい、そろそろ出かけないといけないので、続きはまた今度聞きます。
A:了解です。いってらっしゃい。
というわけで、その人は去ってしまいました。結局何が言いたかったのかというと、「こうして、スタートラインまで並べば、あとは勝率50分の1なので、ひたすら全力で走るだけ。そんで勝っても負けても、次いこー。でも、そのスタートラインに並ぶってのは、そこそこ努力が必要なのよ」ってこと。