simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

語彙力以前の問題(その3)


私は英語を教えることがある。私の限られた経験上、多くの人が、「英単語が分からないから、英語が話せない」、すなわち、「英語の壁≒語彙(ごい)力の問題」だと思ってる(ふしがある)。


そんなとき、私の口が酸っぱめに言う。「それは語彙力以前の問題なんよ」と。


例えば、こんな質問をしたとき:「今日は何したの?("What did you do today?")」。


律儀なんだか、マジメなんだか、よー知らんけど、答えに困ってる人が多い(よーな気がする)。おいおい、「正確に言わないと、逮捕しちゃうぞぉ」ってわけでもあるまいし、テキトーに応えればいいんだけど・・・


でも、一生懸命、何したのか、って思い出そうとがんばって、挙句の果てに、「分からない」とボソボソ言う。


仕方ないから、「何時に起きた?("What time did you get up this morning?")」とか、「何食った?("What did you eat today?")」などと聞くと、なんとなく応えが返ってくる。そんでも、まだ、正確に何時に起きたのか、長ーく考えた挙句、「分からない」とボソボソ言う(場合がある)。食ったもんをひとつ残らず挙げようとして、漬物の種類を何度も言い直す(場合がある)。今朝食った漬物が、きゅうりでも、かぶでも、(英)会話の練習としては、あんまし重要じゃないんだけど・・・


極端なことを言うと、(英)会話のレッスン中に「今日は何したの?("What did you do today?")」と聞かれたら、応えなんて何でもいいんだから、ウソつきゃいいんだよ。夢を語ればいいんだよ。要は、何でも良いから発言(発音)してみないことには何も始まらないし、会話なんだから、正解もクソもあったもんじゃない*1。日頃の遊び心の欠如が、会話を頓挫させてるよーに見えるよ。


ここで、いつものごとく、ちょびっとビジネスな話になりましょ。


ブレイン・ストーミングってあるでしょ。略して、ブレスト。

従来の方法や考え方、先入観にとらわれず、自由なディスカッションを通じて新たなアイディアや解決策を引き出そうとする手法のこと。
出された意見に対して決して批判をしないことが重要とされる。


http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_112.html

ってことなんだけど、みんな律儀なんだか、マジメなんだか、よー知らんけど、発想が地に足ついてて、現実的なことが多ーい。批判しちゃーいけないって言われても、批判する余地もない*2。実はこのルールの前提として、「批判くらいしとかなきゃ、どうなっちまうんだ、このブレストは?と思わせるような発言がでてくるんだろーな」という甘い期待があるんだろー。ところが現実には、あんまし出てこない(ところもある)。


ブレストなんだから、正解もクソもあったもんじゃない*3。日頃の遊び心の欠如が、ブレストを頓挫させてるよーに見えるよ。英語も仕事も、もっとリラックスぅ〜


ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「いきなり、何でもいいから言ってみー、って言われたって、簡単にできるもんじゃーない。実はフリーな語りが一番難しく、できるだけセリフを決められてたほーが、簡単なんじゃーないかと思うよ。だから、英会話なんて、要は、英語を使ったフリーな会話なわけで、そこんとこが難しいわけ。必ずしも英単語が分からないから、会話がストップしちゃってんじゃーないと思うわけ。それはいたって、語彙力以前の問題であって、基礎的な遊び心(asin:4051028208)の問題なんよ」ってこと。(また続く)

*1:あとは、そんな応えに対して、どーやってリアクションするのか、ってのは教える側の問題だよーん。

*2:って、これが批判だとか、くだらんつっこみしないでね

*3:あとは、そんな応えに対して、どーやってリアクションするのか、ってのはファシリテーター側の問題だよーん。