一人前になったら、海に出て勇気を試しなさい
先日、「まぼろしの邪馬台国」(http://www.mabotai.com/)をみてきました。
この映画、かなーり危険です。思わず涙してしまうので、ぅわんぅわん泣いてる姿を知り合いに見られたくない人は、(私みたいに)ひとりでこっそり見に行こう。ハンカチを忘れーずに。(ちなみに、招待券が4枚(3枚予約済、残り1枚)残ってるので、欲しい人は、メールちょうだい。全国の東映で使えるよー)
日本人なら、一度は聞いたことがある「邪馬台国(やまたいこく)」ってのは、どこにあったのか、ということが実は分かってないんです。分かる必要なんてないんです。むしろ、みんなでわいわい*1騒いでいることに意義があるんです。邪馬台国は、九州*2にあったかもしれないし、近畿地方*3にあったかもしれない。千葉*4にあったかもしれないし、海外だったかもしれない。諸説の詳細は、http://inoues.net/waj.htmlを見てみよー。ただし、こういうものは、あまり真剣に考えちゃいけないんです。信じること*5が重要なんです。私は、「邪馬台国は九州にあったんだ」と信じてます。
さて、邪馬台国つながりで、ホンのご紹介。
- 作者: 武光誠
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/05
- メディア: 新書
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あーだ、こーだ、と小難しいことが書いてあるんですが、全部読む必要ないんです*6。「はじめに」を読んで、第1章読んで、あとは目次をながめて、各章のタイトルとサブタイトルだけチェックして、最後に第11章を読みましょう。おそらく、1時間以内に読了します。
さて、ここからが本題です。
この本ですが、邪馬台国に関するホンだと考えてもいいんですが、もーちょっと違った読み方をしてみましょ。これは、ビジネスの、または人生の戦略に関するホンなんです。
『邪馬台国と大和朝廷』の272ページから274ページにかけて、
現在の私たちは、戦争は土地争いから生じると考えがちである。・・・しかし、・・・[昔、]土地はふんだんにあった。・・・[新しい土地を開拓していくことは、]命がけで他人の土地を奪うより、はるかに楽である。
それゆえ、日本古代の小国は、農地確保のためではなく、貴重な交易品をより良い形で手に入れるために組織された。ある土地に交易でもたらされる貴重品の数が少なく、その流入経路がかぎられている場合に、貴重品の交易路を押さえた者が権力を握る。・・・つまり、そのような土地で最初に国をつくって王になる者は、神官でも優秀な戦士でもなく、商人なのだ。
交易にあたる者[商人]が強い支配力をもつ・・・交易国家は、エジプト、メソポタミア、中国といった周辺の諸民族より高い文明を保有する国では、・・・つくられない。・・・交易国家は、・・・後進地で・・・生まれた。
と書いてありまして、現代語訳をしてみますと、
現在の私たちは、[生存競争]は[会社内の地位]争いから生じると考えがちである。・・・しかし、・・・[会社の外を眺めてみると][チャンス]はふんだんにあ[る]。・・・[新しい領域を開拓していくことは、]命がけで他人の[仕事]を奪うより、はるかに楽である。
それゆえ、日本の[中小会社]は、[大会社内の地位]確保のためではなく、貴重な[ビジネスチャンス]をより良い形で手に入れるために組織され[る]。ある[業界]に[人的ネットワーク]でもたらされる[情報]の数が少なく、その流入経路がかぎられている場合に、[情報]の[流通経路]を押さえた者が[おいしい]。・・・つまり、そのような[状況]で最初に[チーム]をつくって[リーダー]になる者は、[金持ち]でも[官僚]でもなく、[行動を起す者]なのだ。
[行動を起す者]が強い支配力をもつ・・・[人的ネットワーク]は、任天堂、ファナック、アステラス*7といった周辺の諸[会社]より高い文明を保有する[会社]では、・・・つくられない。・・・[人的ネットワーク]は、・・・[宴会場*8]で・・・生まれ[る]*9。
ということです。
ってなわけで、本日の結論は、
[大きな会社ってとこは]恒常的に[情報]が不足してい[ます]。そのため、たえず[人的ネットワーク]で外から[情報]を買い入れねばな[りません]。そのような[状況]では、海を越えて[社内の]人々の[生存]に欠かせない[情報]をもたらす者が尊敬され[ます]。「一人前になったら、海に出て勇気を試しなさい。[社内インテリジェンス*10に没頭する者]なんかになれば無事に一生を過ごせても、人びとからうすのろ扱いされてしまいますよ」と子供にいうギリシャ*11の母親の声が聞こえるようだ。(『邪馬台国と大和朝廷』p.274)
「シュンポシオン横浜」は明日締切だそーだ*12。まだ、申し込んでない人は、「海に出て勇気を試し」てみればー。
また、開催日(12月13日)まで、あと2週間。ぜひ、『邪馬台国と大和朝廷』第11章だけでも読んでほしい*13。そこには、交易国家(≒人的ネットワーク)の振る舞い方が記されてんので、きっと参考になる(かもしれないし、ならないかもしれなーい、あしからず)
ってこと。
*1:http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081016
*2:http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081020#1224455512
*3:http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20080512
*4:http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20080608
*5:http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081113
*6:武光さん、ごめんなさい
*7:http://job.nikkei.co.jp/2009/contents/business/casma/の優良企業ランキング参照
*8:例:「シュンポシオン横浜」(http://www.geocities.jp/taknakayama/symposium/2008.html
*9:そうなんです。事件は現場で起きるんです。http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081020#1224464093
*10:http://d.hatena.ne.jp/segawabiki/20080317
*11:ギリシャと言えば、http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20081117
*12:http://d.hatena.ne.jp/taknakayama/20081128/p2
*13:どーしても時間のない人は、こんなのがネットで見れる。ちょっと焦点が違うけど。http://books.google.com/books?id=WZDQ5-jqinYC&pg=PA67&lpg=PA67&dq=交易国家