PNG部分by yukioino and simpleA
実は、PNG(読み方は、「ぴんぐ」)ってフォーマットはsimple Aの一押しフォーマット。JPEGとかと比べると地味なんだけど、なかなかの優れもの。みんな使ってね。
今日は、一気に3章片付ける。
(3章前半)>3章後半>3章結論>4章後半>4章結論>5章前半>5章後半>5章結論>おまけ2>おまけ1>おまけ4>scribdへアップ>みんなで打ち上げパーティー@門前仲町(勝手に予定)
かなり前になるから、id:fuzzy2さんの3章前半の訳も再度確認してね。http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20080602
id:yukioinoさんの「3章後半」に、simple Aの「3章結論」をドッキング。
『Alternative File Formats for Storing Master Images of Digitisation Projects』http://www.scribd.com/doc/2388286/Alternative20File20Formats20for20Storing20Masters202201
3 PNG 24 3.1 PNGとは何か? 24 3.2 詳細 25 3.2.1 ストラクチャー 25 3.2.2 エンコードとデコード/フィルターリングと圧縮 25 3.3 必要となるストレージ容量に対するフォーマット選択の影響 25 3.4 画質に対するフォーマット選択の影響 26 3.5 長期的な使用可能性に対するフォーマット選択の影響 26 3.6 機能性に対するフォーマット選択の影響 26 3.7 結論 27
先ほど、この部分(3.3-3.6)に、間違って、第2章の訳を貼り付けちゃいました。訂正したよーん。(14:01頃)
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3.3 必要となるストレージ容量に対するフォーマット選択の影響
テスト結果から、可逆モードのPNGを使用すると、非圧縮ファイルと比較して約40%のベネフィットを得られることが判明した。さらに最適な結果が得られるか否かを調べるためには、よりリファインした圧縮オプションを用いてテストを繰り返す必要がある。
3.4 画質に対するフォーマット選択の影響
PNGのフィルタリングおよび圧縮は可逆的なので、画質の劣化は生じない。しかしそれは、ビット深度がソース・ファイルと同程度であると仮定した場合であって、PNGフォーマットのオプションである「ビット深度の低減」を使用したときはある種の不可逆圧縮とみなされる。
3.5 長期的な使用可能性に対するフォーマット選択の影響
「ファイル・フォーマットの評価方法」を「PNG 1.2」フォーマットに適用した結果、0-100のスケールにおいて78のスコアをマークした。このレポートで比較された四種類のフォーマットを、上記の方法によって長期保存に最適なものから不適なものの順にソートすると、このスコアをもって「PNG 1.2」が一位となり、「可逆版JP2(JPEG 2000 Part 1)」を抜いた。PNGにおいても、フォーマットの採用率の低さが最終スコアにネガティブな影響を及ぼしている。項目1.5(「JPEG 2000の長期的な使用可能性」)で既にふれたように、PNGのスコアは、可逆版JP2 (JPEG 2000 Part 1)よりも4ポイント高かったが、採用の面からフォーマットの将来性を考慮すると、JPEG 2000のほうが好ましい。
3.6 機能性に対するフォーマット選択の影響
書誌的および技術的(EXIF)メタデータを組み込むためのオプション
- 書誌的メタデータ:PNGにはASCIIおよびUTF-8の内容メタデータを組み込むオプションがある。また、種々の標準オプション(タイトル、著者、詳細、著作権、作成時刻、ソフトウェア、免責事項、警告、ソース、コメント)があり、このセットを使用者の意図に基づいて拡張することもできる。*1
- 技術的メタデータ:PNGでは(現在は)EXIF情報(カメラおよびその設定に関する情報を提供する技術的メタデータ)をサポートしていない。
高解像度アクセス・マスターとして提供する際のフォーマットの適合性
- ブラウザ・サポート:可
- 高解像度の画像アクセス:理論上は可。可逆圧縮してあっても、PNGファイルはこの目的で扱うにはかなり大きい。
最大サイズ
- 要調査
米国議会図書館による「品質および機能性ファクター」:*2
通常の表示
- スクリーン表示
- 印刷:可
- 拡大:可
明瞭度
- 高解像度オプション:可
- ビット深度:各チャンネル毎に1〜16ビットの間で変動する。
カラー調整
- さまざまなカラースペースのサポート:可(ICCプロファイル非経由)
- ガンマ調整を含ませるオプション:可(彩度調整も含まれる)
- ICCカラープロファイルを含ませるオプション:PNGではsRGBカラースペースの使用や、ICCカラープロファイル*3を含ませることが可能。
グラフィックエフェクトおよびタイポグラフィのサポート
- ベクター・イメージ・オプション:不可
- 透過情報:可
- フォントおよびスタイルを特定するオプション:可
通常の表示以外の機能
- アニメーション:不可*4
- マルチページサポート:不可
- マルチ解像度:不可
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3.7 結論
フォーマットの詳細
- 規格化:PNG 1.2が2003年よりISO/IEC規格となっている。
- 目的:GIFというのフォーマットがあり、それは特許や機能面での制約がある。このGIFの次世代フォーマットとして、プログレッシブ表示、透過、ロスレス圧縮をオプションとして含みつつ、規格として拡張することを狙った。
- 構造:基本的にはチャンク単位であり、イメージ情報だけでなくヘッダーを持つ。
- エンコード:6つのステップ。最も特徴的なのは、スキャンラインごとに異なるフィルタリングをかけることができるため、圧縮効率があがることである。
ストレージ容量に対する影響
- 容量節約は、約40%
画質に対する影響
- ロスレス:影響なしだよーん
長期的な使用可能性に対する影響
- 評価スコア 78.0
- 主な問題点:低い普及率
機能性に対する影響
重要な利点:重要な欠点:
- ロスあり圧縮を選択できないので、ファイルサイズは比較的大きいままであること(ただし、ビット深度を下げる、という方法は可能)
- エディターやビューワーなどでの低い採用率
- マルチ・レゾリューションが選択できないこと
- EXIFメタデータを追加するオプションが標準で用意されていない
推奨
理由1(代替)に対する考察
長期的に使うことができるという観点から、ロスレスのPNG 1.2は、代替フォーマットとして使うことが可能である。ロスレス圧縮は、イメージ情報が失われることがないため、代替目的を考えると理想的である。圧縮効率は、ロスレスのJPEG 2000 Part1と比べると、やや劣る。(JPEG 2000が50%なのに対して、PNGは40%)対応するソフトが豊富であることはプラスであるが、低い普及率が気になる。
理由2(やり直しが効かない) に対する考察
PNGもこの目的に適している。ただし、ロスレスのため、やや圧縮効率の面でマイナスである。
理由3(マスター・ファイルはアクセス・ファイルの元になる) に対する考察
PNGはこの目的に適さない。なぜなら、圧縮率を高めることのできるロスあり圧縮ができないからである。