simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

simpleAがJPEG2000についてまとめた


さらさらに、肉付けー!


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JPEG 2000に関するまとめね。

私の訳


『Alternative File Formats for Storing Master Images of Digitisation Projects』http://www.scribd.com/doc/2388286/Alternative20File20Formats20for20Storing20Masters202201

2.7 結論 21


2.7 結論


フォーマットの詳細

  • 規格化:JPEG 2000のパート1は、2000年からISO/IECの規格となっている。他のパートは、その後規格となったものもあるし、まだ完全にはISO規格となっていないものもある。
  • 目的:JPEG/JFIFには限界があるので代替として、より効率的な圧縮技術を使いつつ、ロスレス圧縮およびマルチ・レゾリューションをオプション選択できるようにする。
  • 構造:基本的にはボックス構造であり、イメージ情報だけでなくヘッダーを持つ。
  • エンコード:6つのステップ。最も特徴的なのは、ステップ3のウェーブレット変換とステップ6のパケット分割である。パケット分割では、コードストリームをパケットに分割し、解像度、画質、色、ポジションで並べかえる。


ストレージ容量に対する影響

  • ロスレス:容量節約は、約50%
  • ロスあり:容量節約は、91〜98%


画質に対する影響

  • ロスレス:影響なしだよーん
  • ロスあり:
    ○高い圧縮率のとき、細部のロスあり
    ○グレースケールやカラー情報におけるロスなし
    ○ポスタライズ、ピクセレーション、高圧縮時のウーリー効果(コントラストの高い周辺がぼやける現象)などのアーチファクトあり
    PSNRは調査中


長期的な使用可能性に対する影響

  • ロスレス:評価スコア 74.7
  • ロスあり:評価スコア 66.1
  • 主な問題点:低い普及率


機能性に対する影響
重要な利点:

  • ロスレスを使えることと、圧縮率を変えたロスあり圧縮が可能なこと
  • 圧縮効率の高いウェーブレット圧縮
  • 豊富なマルチ・レゾリューション選択:画質、解像度、色、ポジションによる段階的画像再現が可能
  • 豊富なメタデータ埋め込み
  • ビット深度が幅広く選択できる(1〜38ビット)

重要な欠点:

  • 消費者市場での低い浸透率
  • エディターやビューワーなどでの低い採用率
  • ブラウザ対応なし(通常、サーバー側で、JPEGをオン・ザ・フライで作成)
  • 圧縮も解凍も、CPUリソースを比較的多く使う
  • EXIFメタデータを追加するオプションが標準で用意されていない


推奨


理由1(代替)に対する考察


長期的に使うことができるという観点から、ロスレスのJPEG 2000パート1は、代替フォーマットとして良い。50%のディスク容量節約になり、画質のロスもなく、(特にマルチ・レゾリューションによって)何かと柔軟なフォーマットであることは、ロスレスJPEG 2000が好まれる点である。長期的な不安があるとすれば、唯一、低い普及率が気になる。


ロスありのJPEG 2000パート1は、不可逆である性質より、代替フォーマットとしてはあまり良くない。見た目はロスレスであるような範囲で圧縮する、ということも考えられるんよ。この場合、見ただけでは、圧縮した画像とオリジナルの違いが分からない。ストレージ容量は、おおよそ90%節約できる。ただし、「見た目はロスレス」というのは、相対的な話であり、現在のモニター技術や、観察者の主観に基づくことを理解する必要がある。


理由2(やり直しが効かない) に対する考察


この理由を考慮する限り、ロスありのJPEG 2000パート1を、見た目はロスレスであるような範囲で使う、というのが好ましい。理由1の代替として使うわけではないので、多少の情報ロスは許容される。


理由3(マスター・ファイルはアクセス・ファイルの元になる) に対する考察


ロスありのJPEG 2000パート1を高めの圧縮率で使うのが良い、というのは自明である。JPEG 2000の圧縮技術は進んでいるので、画質を大きく損なうことなく、より高い圧縮率を実現できる。(JPEGより勝る。)圧縮率を決めるとき、素材となる画像のタイプを見極める必要がある。例えば、圧縮によるノイズは、写真などの連続階調のページより、テキスト・ページで目立つ。JPEG 2000は圧縮効率も高いし、豊富なオプション機能がある一方、JPEGはブラウザーを含む多くのソフトで対応していて、かつ広く受け入れられている。そのような状況を踏まえて、JPEG 2000の利点がJPEGの利点を上回るのかどうか、そこを考えなくてはならない。