危機になったら、何でもいいから、吠えましょ
今日は、打って変わって、建設のお話。(最近は、鉄筋マニアになってます。)
建設用鉄材が暴騰している影響で、愛知県犬山市は[3月]28日、3月議会で可決したばかりの市庁舎建設予算が早くも不足することがわかり、4月上旬に臨時議会を開いて増額補正予算を組むことを決めた。 ・・・ 鉄材価格は沈静化しそうにない情勢といい、市は「これ以上値上がりすれば打つ手がなくなる」と苦慮している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080329-00000021-maiall-pol
ってなわけで、(まぁ、犬山さんも甘かったんかもしんないけど)、とにかく鉄の値上がりがすーごいわけ。だから、あんまし、犬山さんはアホだとか責めないでね。
どんくらいすごーいかって言うと、
基本、http://www.kensetsu-plaza.com/plant_tokyo_img/graph010.gifなんだけど、どんどん更新されてっちゃうので、2008年10月の時点でDLしたもの
こんくらいすごい。(1月以降の上昇がすばらしいでしょ?お給料がこんな動きするといいのにね。)
じゃ、今月に入って、まだ価格上昇が続いてるかって言うと、
1月以降急騰する異形鉄筋価格であるが、[4月中旬]10万円[/トン]突破は目前となってきた。
http://blog.goo.ne.jp/kadowaki-tekkin/e/e825c61489569001dbc4ea69f8e9c8c6
ってことらしく、上のグラフで言えば、100.0円/kgを突破しちゃうよ、って感じで理解してね。*1こりゃ大変だわぃ。
ということは、犬山さんは、打つ手がなーい!ピンチ。
今後の状況として、
需要家は先高観から買い急ぎの姿勢を強めており、商談は売り手側優位となっている。今後、原料価格がさらに上昇するとの見方もあることから、先行き、強含みで推移する公算大。
ってな感じで、完全にバブルに突入してる。ヤバイ傾向だねー。
バブルと言えば、約10年前、電子部品もバブった時期があって、
組み立てメーカーの割り増し発注や多重発注で、電子部品はますます不足した。ある種類の部品が品薄になると、「他の部品も足りなくなるのではないか」という不安心理の連鎖を呼び、供給に余裕のある部品にまで注文が殺到した。今春の一時期には、AV機器や白物家電などに使われる一般的な電子部品まで市場から姿を消す異常状況に陥った。
ってな大変な状況だった。当然、
部品バブルは長く続かなかった。2000年春にネットバブルが崩壊。秋までには携帯電話ブームも一段落し、年末には米国景気の減速が鮮明になった。2001年は一転、部品需要が急減。梯子をはずされた格好の部品業界は深刻な不況に陥った。
似てるね。やばいね。
じゃぁ、鉄筋バブル崩壊はいつなのか?
そーんなことわかりませ〜ん。ただ、こんな状況を前にして、犬山市の田中市長は
「思ってもみなかった事態だ。懸案の事業で延期するわけにもいかない」と話している
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080329-00000021-maiall-pol
らしい。
実際に田中さんの記者会見とかを見たわけじゃなくて、Yahooで間接的に読んでるだけなんだけど、前代未聞の危機を前にしたリーダーが口にする言葉じゃないよね。「懸案の事業で延期するわけにもいかない」んじゃなくて、「この市庁舎建設は、私たちにとっての重要な事業なんだ!何としてもやり遂げるぞ!」とか、何でもいいから、吠えてほしかった。
ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「バブルってのは自然現象だから、避けたり、コントロールしたりなんてできない。台風が上陸するようなもん。だから、バブルってのはあるよ、今はバブルだよ、って分かっていても、何も打つ手がないってのが常。今回の鉄筋バブルはよくある危機のひとつなわけで、それ自体、大騒ぎするよーなことでもない。でも、危機に直面するたびに、リーダーは、そのリーダーとしての資質を試されるわけで、少なくともYahoo経由の毎日報道によれば、田中さんは吠えなかった。彼は失格じゃないかなーって思うよ」ってこと。
*1:厳密に言うと、もうちょい複雑です