診察のコンビニ
前回、アメリカでは、6人に1人が無保険者だから、病院に来たくても来れないし、仮に来たとしても救急車で運ばれてくんので、病院の経営としては、ちょいと困った、って話をした。
困っててもしょうがない。何か手を打とう。
まず、現状把握をしましょ。医療保険にまつわる悪循環ってのがある。
保険料が高いから、無保険者が多い → 病院は回収不能を踏まえた料金設定をする ↑ 悪循環 ↓ 保険会社も保険料をあげないといけない ← 一般の人(保険加入者)の診察料が高くなる
この悪循環を断ち切るために、前回紹介したサラソタ記念病院は、思い切って、無料のクリニックを開設した。
ところが、イノベーターの宝庫、アメリカは、こんなところで終わらない。
そのひとつが、リテールクリニックとか、ウォークインクリニックって呼ばれてるもん。リテールクリニックが何ぞやってのは、この3つを読めば、どんなもんかも、どんな騒動を巻き起こしてんのかも分かる。
http://www.tobyo.jp/tobyoblog/2007/442.html
http://www.tobyo.jp/tobyoblog/2007/679.html
http://www.tobyo.jp/tobyoblog/2007/753.html
要するに、リテールクリニックってのは、
医師が常駐せず、主として看護師が患者に対応し処方箋まで発行する。また、診療費も無保険者で一回60ドル以下、被保険者では20ドル以下の自己負担で済む。従来診療所が無保険者で100ドル以上であったのに比し、圧倒的に安価なのが生活者に支持されている理由であるといわれている。また、たいていのリテールクリニックが耳感染、鼻炎、咽頭炎、そして水虫など、重篤ではない病気の治療をしている。
ってな感じで、「セブンイレブンとかのコンビニの中に、物知りが白衣着て座ってて、ちょっとだけ、相談にのってくれる」ってシステム。ちょっぴし便利そーでしょ?
このリテールクリニックは、ずんどこ成長してると言われてる。それゆえ、既得権益を持つ、ビョーインとは仲良くない。こういう新旧の対決ってのは、見てておもしろい(、巻き込まれるとツラい)。
そんで、このリテールクリニックは、無保険者だけをターゲットとしているってわけじゃないけど、少なくとも、救急車で運ばれる無保険者の数を減らすことには、貢献していると思うよ。(そんな統計データないけどさ。)
ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「TOBYO開発ブログの三宅さんは、「(日本では)この米国リテールクリニックのようなアウトサイダーからの挑戦が不可能なのだ*1」と嘆いているが、本トにそーだろうか?前後を読めば、三宅さんの趣旨は分かるし、確かにそういう事情なんだろうとも思う。でも、イノベーションってのは、いつもとんでもない方向から槍が飛んでくるもんだから、みんなでどーにかしようよ。アウトサイダーよ団結せよ」ってこと。
*1:http://www.tobyo.jp/tobyoblog/2007/442.html末尾