simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

現状整理


今日から、たまに、「書籍の電子化」について話しましょ。


何回かにわたり、いろんな切り口で、現状整理しまーす。
どんなときも、現状把握が大切。


切り口(1) ビジネスモデル

「書籍の電子化」はやたらとお金がかかるんだけど、かなりボールパークな目安として、1万冊の電子化および公開で、5,000万円〜1億円は必要。となると、その回収方法(ビジネスモデル)ってのは、真剣に考えないとね。


代表的なモデルとしては、次の3つ。

モデル 代表選手 見た目
広告モデル Google
販売モデル Amazon系BookSurge
寄付金モデル Internet Archive


おおざっぱに話していきましょ。


まず、広告モデルでは、書籍を検索して、何か1冊選ぶでしょ。そうすると、右の方だったり、下の方だったりに、広告が出てくる。一番よーく知られてるパターン。http://books.google.co.jp/へ行って、何か検索してみてみてね。


次に、販売モデルってのは、2つあって、電子書籍として販売する場合と、PODで販売する場合とがある。どちらにしろ、書籍をスキャンして電子化しておくでしょ。そんで、AmazonとかBookSurgeで、こんなのありますよ、って宣伝をする。読みたいなぁ、と思った人は、選択して購入手続きすると、PDFでいい人にはそのまんまでメール配信。手にとって読める「本」がいいんだよって人には、BookSurgeが印刷して製本して発送するわけ。ちなみに、PODってのはこんな感じ


最後に、寄付金モデルでは、アメリカの超金持ち財団が書籍電子化のためにお金を配ってて、貴重な書籍を持ってる団体だとかがもらえるわけ。そのお金を使って、電子化していく。


まぁ、それぞれのモデルで、スキャン対象書籍が決まってくるわけ。


通常、寄付金モデルでは、かなりユニークなコレクションを持ってる場合、お声がかかる。または、寄付金をくださいと申請して、もらえる確率が高まる。だから、おのずから、スキャン対象書籍は、レアモンってことになる。


販売モデルの場合、スキャンして売れなかったら困るわけで、それなりに売れそうなモンだけをスキャンすることになる。ただ、バンバン売れるんだったら、出版社が大量に印刷するはずだから、この販売モデルが対象とするのは、そこそこ売れそうだけど、そんなに売れないってな、中途半端なところ。


そんで、広告モデルの場合、まぁ、とりあえずなーんでもいいからスキャンしちゃう。だけど、検索できないといけないって制限があるから、OCRに掛けられないようなものはやらない(はず)。だから、象形文字で書かれたモンとか、手書きのモンとかは、スキャンされない。


ってなわけで、今日のところは、何が言いたいのかって言うと、「書籍の電子化にかかる費用を回収するモデルは、少なくとも3つあり、そのモデルに応じたスキャン対象書籍ってのがあるよ。そして、書籍のスキャン技術が浸透しつつある現在、新たなビジネスモデルが出現する可能性が高いよね。でも、残念ながら、日本では新しいモデルの出現を待つって段階に到達してなくて、かなり遅れちゃってるから、もっと一緒にがんばろうよ」ってこと。