simpleA記

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撞着語法と大人の嗜み


撞着語法(どうちゃくごほう)ってあるのをご存知かしらん?


四字熟語だから難しそーに聞こえるけど、要は、「青く赤面する」みたいに、ちょっと言葉のルールを破っちゃってる状態を指す言葉だね。言葉のルールとして、赤面するときは、赤くならないといけないので、青く赤面しちゃう、ってのは、ちょいと都合が悪いわけ。


でも、もし「青く赤面する」ってのが言い間違いでないとすると、何らかのメッセージを伝えたい、というわけで、ここから「勘ぐり」が始まる


例えば、顔が青くなるのは、「がびーん」という状態。赤面するのは、恥ずかしーとき。そうすると、「青く赤面する」ってのは、何かとんでもない失敗をやらかして、「がびーん」となってるときに、恥ずかしさがこみ上げてきて、顔が赤くなってきちゃった状態を指す、のかもしれなーい。つまり、「失態をして愕然としているところに、羞恥心に火がついた様子」を表現する言葉なんです。


さて、撞着語法ってのには、たったひとつだけ、重要な「決まり」があるのを、お気づきになった?


それは、「大人じゃないと使っちゃーいけない」ってこと。酒と一緒の扱いです。


では、子供が撞着語法を使うとどーなるのでしょ?子供が撞着語法を使うと、単なる言い間違いと断定されて、修正されちゃいます。「赤面するってのは、顔が赤くなることを言うから、青く赤面する、ってのは間違いだよ」という感じ。


では、なぜ、大人は撞着語法を使っても許される?大人は、とりあえず、言葉のルールを知ってて、その上でわざとズレた使い方をしてるはずだから、許されている(はず)。酒が許されているのは、酒を飲むとちょっと気が緩むってなルールを理解して、それでも、気が緩んでもいい場所で、他人に迷惑をかけない程度に「ぐびぐび」するもんだから、許される。


以上のことを鑑みると、撞着語法ってのは、酒と一緒で、大人の嗜み(たしなみ)なわけ。


ってなわけで、結局何が言いたいのかって言うと、「これはビジネスの話をしてるの。業界には業界のルールってもんがある。それを知らずに、型破りなことをしているのは、単なる子供なわけ。でも、そのルールを知って、大人になったにも関わらず、ルールをきっちり守ってるってのは、単なるロボットなわけ。大人ってのは、その子供とロボットの中間に位置している(らしい)。そして、ビジネスにおける撞着語法というのは、イノベーションのことであって、唯一、私たちを次のステージ(≒勘ぐりの世界)へ連れて行ってくれる。ただ、イノベーションってのは、子供の無鉄砲とは違って、酒と同じ大人の嗜みでなければならん」ってこと。


関連:
http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20071112
http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20080407
http://d.hatena.ne.jp/simpleA/20081104