simpleA記

馬にふつまに 負ほせ持て

会社って、どうやって作んの?


会社のあれこれ3部作を書こーと思ってたら、初っ端で、人がわんさか押し寄せてきたので、ちょいとビビった。だけど、淡々と進めていこーと思うよ。
今日は、「有限責任がウンチャラカンチャラは分かったから、じゃ、どーやって会社*1ってのを作りゃいいの?」って話。



会社作んのは、すごーくシンプル行政書士か司法書士に頼みましょ。


なんでかって言うと、3つくらい理由がある。

  1. 楽チン
  2. 自分でやるより安い
  3. 勉強になる


最初の理由はなんとなく想像つくでしょ。だから、省略


2番目なんだけど、なんで自分でやるより安くなるのか、っていうと、印紙税法っていうヘンテコな法律があるから。この法律によると、会社の設立に必要な定款ってのを、紙に印刷して提出すると4万円の収入印紙ってのを貼んなきゃいかんのに、(「電子定款」ってな名前のもんを)フロッピーディスク*2に入れて提出すると、収入印紙なんて貼んなくていいから、4万円節約できんの。


ところが、この電子定款ってのを自分で作ろうとすると、あれこれお金がかかる。http://www.teikan-j.jp/を参考にすれば、42,300円くらいらしい*3。だったら、司法書士か行政書士で、電子定款作成までを4万円未満でやってくれるとこがあれば、結果安くなるよね、というわけ。実際、合同会社simple Aも、行政書士さんに34,800円でやってもらったよ。*4


3番目の「勉強になる」って話だけど、ここが重要!(と思う)


ちょっとでも安く済ませようと、何でもかんでも自分でやろうとする人がいるでしょ。特に会社作る段階だと、お金ないし、法人設立なんてテンプレート使えば簡単だから、ってな感じで、結構多くの人が自分だけでやろうとしてんのを目撃してきたよ。


一応、身近な人には「専門家にやらせたほうがいいよ」って助言してる。こうやって言うと、たいていの反応は、「なるほど、時間を買えということですな」ってな感じで誤解する。「法人登記の手続きは専門家に任せておいて、もっとビジネスの中身について考えるのに時間を使え」と言ってると思うらしい。


でも、言いたいことは、「専門家にやらせる」ってことであって、決して「専門家に任せる」ってことじゃなーい。具体例で言うと、

今回合同会社simple Aを設立するとき、相当調べて、会社法(特に第三編)ってのにも目を通して、定款はとりあえず自分で作ってみた。その上で、行政書士さんに、「そちらで定款を作成してください」とお願いした。だから、依頼した段階で、すでに行政書士さんがどのような情報が分かれば、定款を作成できるだろう、ということはおおよそ分かっていた。送付されてきた定款の原稿を見て、自分で作ってみた定款との違いがあり、数点、確認を行った。最終的に、全部に納得したので、行政書士さん作成の定款を採用した。

ってな感じで、全然、時間を買ったわけでもないし、任せてもないんだよね。


じゃぁ、わざわざ行政書士さんにやらせんでも、十分勉強してんだからいいじゃん、と思うかもしれない。でも、そんな類の「勉強」の話はしてないよ。


会社の経営ってもんをしていく上では、いくつかの専門家*5を使いこなさないとならん場面が訪れる(はず)。そんとき、「専門家に任せる」ってスタンスを続けてきたりすると、最後は専門家にいいように使われちゃうようになるのがオチ*6。また、専門家を使ったことがなければ、それこそ、いざという時どーしていいんだか分からん状態になっちゃう。だけど、

  • こっちがいっぱい調べて、
  • その上で「専門家にやらせて」、
  • やってもらった内容をチェックして、
  • 新たな発見があれば吸収し、
  • なければ「自分はよく調べたんだな」と納得し、
  • 専門家が間違っていれば指摘して訂正させる

ってな、このサイクルをまわすことを続ければ、専門家活用に伴う主従逆転*7は起きない(はず)。おそらく、「専門家の賢い使い方」ってもんがあって、実はそれが会社の生死を決すると思うんだけど、それはこの「やらせる」サイクルの中でしか身につかんもんだと思ってるよ。


そんで、「会社を作る」っていう入り口からこのサイクルを始めて、しっかりクセつけとかないと、なんとなくタイミングを逃して、ずるずるいっちゃうよーな気がするよ。


ってなわけで結局何が言いたいのかって言うと、「会社を作るんだったら、行政書士か司法書士に頼んだほーがいいよ。その理由はたったひとつ。試行錯誤を通じて、「専門家の賢い使い方」について勉強になるから」ってこと。

*1:今日の内容くらいだと、株式会社だろうが合同会社だろうが、同じね

*2:いまどき、フロッピーってのがオモロいでしょ?

*3:ただ、アクロバットを持ってんなら自分でやったほうが安いし、e-Taxとかの関係でICカードリーダライターとかまで持ってんなら、絶対自分でやったほうが安い。だけど、普通に考えれば、こんな人、あんまし多くないよーな気がするし、次に書く第3の理由があるから、「やらせる」ほうがいいと思ってんだよー

*4:ちなみに、その他の登録費用などの諸経費を加えると、合同会社はぜーんぶで10万円くらいでできるし、株式会社なら24万円くらいだよ

*5:行政書士、司法書士をはじめ、税理士、会計士、弁護士、弁理士、コンサルタント、各種代行業者など、たーっくさん

*6:たいてい気付かんうちに、そーなってる

*7:いろんな場面でみかけるよ